平成24年8月

「二つの命」

 上野動物園のパンダの赤ちゃんが肺炎で死んだ。同園としては24年ぶりに誕生し、日本中が喜びに湧いたのも束の間、生後わずか6日の余りにも早過ぎる、名もない小さな命が閉じてしまった。元気に育っていると誰しも思っていた矢先の不幸な出来事だけに、悲しみは深い。

 だからこそ、次の朗報を心待ちにしたい。しかも出来るだけ早くにである。日本中の誰もがそう願っているに違いないのだから。

 もう一つの命についても触れたい。身近な我家でも一大事が起きた。前もって断わっておくが悲報ではない。

 今から約一ヶ月前の出来事である。騒動の主人公は近所の猫である。我家には愛猫「アニキ」がいるが、その「アニキ」が毛嫌いする、赤と白のブチの雄猫と四肢が白く、体が黒い雌猫のカップルに誕生した赤ちゃん猫の話である。

 或る日の夕食後、いつもと違い階下がやけに騒がしい。家内に様子を聞くと我家の裏の納屋に産まれた赤ちゃん猫一匹がトラブルに巻き込まれたとのこと。その赤ちゃん猫の面倒を息子夫婦と孫が見ていると聞いたが、大した事はないと高を括っていた。が、なかなか騒ぎが収まらない。何をいつまで騒いでいるのかと多少気を揉みつつ、家内にも急かされ、階下に降りると事の重大さにビックリ。産まれて一週間位の赤白のブチの赤ちゃん猫が、ネバネバの箱のネズミ獲りに引っ掛かり、顔から、四肢から、体の至るところ粘液まみれで、もがき、泣き、苦しんでいる姿が目に映った。さ~、それからが大変。苦い体験も頭を甦った。かつて我家にいた愛犬も、このネズミ獲りに顔を突っ込んだことが原因(?)で死んでしまったことを。気が動転し、どうしたらいいか分からず、取り敢えず町の獣医さんに電話をするも、夜も遅かったせいか、電話も繋がらず、白河の「アニキ」の掛り付けの獣医さんに電話をするもまたも留守。念の為、留守電に事の顛末を伝言メッセージとして託したが、オロオロするばかり。ダメ元と町の獣医さんに足を運ぶが、やはり留守。万事休すの思いで自宅に戻ると、「アニキ」の獣医さんから救いの電話があり、一番心配のネズミ獲りは無毒性であることが分かり一安心。

 次に処方を聞く。まずは、丁寧に食用油でヌメリを取り除き、その後シャンプーで洗い流せば万全とまではいかないものの大丈夫でしょうと聞き、家内と二人で深夜まで手を尽くす。四苦八苦の末、何とかなった。体をドライヤーで乾かした後にキャットミルクを与え、電気ゴタツで体を暖め一段落。と思いきや、母猫を思い出すのであろう“ミャー、ミャ―”ヨチヨチと落ち着かず、さらには我家のご主人様の「アニキ」も、予想外の闖入者に“シャー!!”と威嚇するわで、朝方までてんやわんやの大騒動。私たちも赤ちゃん猫も「アニキ」も疲れ切り、やっと家内のふとんの中で、次に私のふとんの中でお互いにスヤスヤと眠りにつく。

 翌早朝、赤ちゃん猫を納屋の棲家に返すため足を運ぶと、やや赤色が濃い三毛猫と母猫そっくりの黒白の兄弟二匹が、見慣れぬ私の姿を見て、慌てた様子でお出迎え。事が事だけに、まだ社会復帰は早いかなと思ったが、その思いも取越し苦労のようだ。朝な夕なに、私の車の音、足音に反応し、馴々しく近づき愛嬌を振りまく姿に触れ、ふと思う。

 一ヶ月前のあの出来事が無かったらと。不思議な縁しで出会った、「チビ」。兄弟の「ミイ」と「クロ」の三匹とも暫くお付き合いしようと考えるこの頃である。

矢吹町長 野崎 吉郎

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