平成30年5月号

悲願の「一千日達成」を祝う

 遂にこの日がやって来た。本町の悲願でもあった、「一千日達成」。
 これまで、チャンスがなかったわけではないが、幾度もその高い壁に阻まれ続け、目標を達成することが出来なかった。しかし、誰しもが諦めなかった。地道ながらも夢を諦めずに、活動は続いた。そして、平成30年4月5日午前零時を迎えることが出来たのであった。長年の夢を、町民全員で掴んだのだ。
 当日は、満開の桜の花が出迎えるなか笑顔を湛え、満足感溢れる多くの関係者が集い、この快挙を祝った。代表者数名の手で割られた「くす玉」からは、紙吹雪と共に垂れ幕が飛び出し、そこにはこう書かれていた。「祝 交通死亡事故ゼロ一千日達成」と。一口に「一千日」と言うが、この日数がどれほど大変な数であり、「偉業」であるかは、交通安全活動に関わる者なら誰もが等しく抱く思いでもある。
 特に、矢吹町の道路環境からしてもその困難さは窺い知れる。ご案内のように、町内には国・県・町道が縦横無尽に張り巡らされており、道路総延長は411.78kmにも及ぶ。また、車両一日の通行量は国道4号線で約3.3万台、県道矢吹・棚倉線で約2.1万台、同じく、矢吹・石川線で約1.1千台、その他の県・町道・トラハイ道を合わせると、推定約6万台の車両が日夜行き交う交通の要衝にあること。併せて、全国で8,126万台、県内では166万台、当町1.57万台と多くを数え、車なくして世の中が成り立たず、日がな一日が交通事故と隣り合せの生活を余儀なくされていること。こうしたことから、当町において、「交通死亡事故ゼロ一千日達成」は不可能なのではと思うことさえあった。しかし、夢を諦めなかった。  
 当町では、町民の交通安全を確保するため、「矢吹町交通対策協議会」が組織されている。この組織は、数多くの交通安全に関わる団体で構成されている。列挙すると、交通安全協会矢吹支部(支部長 佐藤照夫他約100名)、交通安全パトロール隊矢吹小隊(小隊長 佐藤照夫他10名)、交通教育専門員(代表 小林忠勝他3名)、矢吹町交通安全母の会(会長 菊地美枝他約1,000名)、矢吹町区長会(会長 大野康統他93名)、矢吹町老人クラブ連合会(会長 小針正廣他326名)、矢吹町地域活動推進員(星 信)、矢吹の教育を考える会(会長 福田博行他役員30名)、見守り隊、矢吹町の小・中・光南高校の学校長で構成されている他、そして、何よりも日頃からご指導頂いている白河警察署矢吹交番所の所長ほか、所員の皆様で構成されている。今回のこの快挙達成は、これら多くの皆様が一丸となって「死亡事故ゼロ」を目指し、挑戦し続けたからに他ならない。その活動は、朝・昼・晩、春・夏・秋・冬、1年、2年、10年・・・と長年続いてきたし、また、交通安全活動に携わり、すでに20年、30年余の月日を重ねた会員も数多くいる。
 次は、各団体に所属する会員の、日頃の主だった活動も紹介してみたい。
 1.毎月第3金曜日夜間に開催の「合同防犯パトロール」(年12回予定)
 2.春・夏・秋・冬の「交通安全テント村」(年4回実施)
 3.幼・保・小学校の交通安全教室(年10回程度実施)
 4.各種イベント(真夏の夜の鼓動、矢吹夏まつり、中畑清旗争奪ソフトボール大会、フロンティア祭り、市町村対抗駅伝大会、さわやか健康マラソン大会等々)の交通整理
 5.朝・夕の街頭啓発パトロール(随時)
 6.通学時の立硝(交通指導)・見守り(通年)等々、数え出したらキリがない。このように、交通安全活動は多岐に亘る。ただゝ頭が下がるばかりだ。
 その献身的な活動の結果、矢吹町内における交通事故の発生状況は年々改善傾向にある。町内の交通事故の発生件数及び死者数の推移を平成10年~平成19年、平成20年~平成29年の各10年単位で比較すると、発生件数では1,046件が603件に、死者数では13人が10人と、件数で443件、死者数で3人の減少を見、また、平成10年と平成29年の比較では、件数で54件、死者数で1件の減少を見ている。このことは、国・県でも同様の傾向を示しており、特に国では、平成29年度の発生件数472,069件、死者数3,694人に対し、平成10年度比、件数331,813件、死者数5,520人の減少を見ている。
 このように国、そして当町の事故発生状況は改善してはいるものの、それぞれのピーク時、国では「交通戦争」の真只中にあった昭和45年時には発生件数71.8万件、死者数16,755人を数え、当町でも現存する統計資料によれば、件数では、平成17年度115件、死者数では平成4年度7人を数える悲しむべく年があったことを記憶に留める必要があることを忘れてはいけない。
 過日、今回の快挙に対し県交通対策協議会(会長 内堀雅雄県知事)から町に対し、「交通死亡事故ゼロ一千日達成」を祝う表彰状が授与された。受賞の御礼の挨拶で私から次のように話しをさせていただいた。
『「死亡事故ゼロ一千日」はあくまでも通過点。矢吹町の交通スローガンは、今までは「交通死亡事故ゼロ、めざせ1,000日、10,000日」だった。これからは「交通死亡事故ゼロ、めざせ2,000日、10,000日」とさせて頂きたい。喜びは今日だけ。矢吹町交通対策協議会の活動にお終いはない。挑戦はまだゝ続く。さらなる「夢」の実現に向かって前進しよう』と話しをさせて頂いた。
 あらためて、矢吹町の安全・安心、「無事故」を念願し、今月の私の一言とする。
 
 

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