平成30年7月号

「面白き数式の世界」

 「ウーン?これは私が読む本ではないな!」と書店の本棚に目配せをしながら思った。「でも待てよ?」。心のどこかに何か引っ掛かるものがあったのだろう。気が付けばその本を手にしていた。その本の名は「少しかしこくなれる 数式の話」。思い起こせば小学生の頃、何故かは分からないが、算数が好き、と思ったことはなかった。特に苦手とまでは感じたことはなかったが、国語や社会、理科の教科に比べれば、好きではなかった。「数式」を操って応用問題を解くのが、いやに厄介で、億劫だったような心持ちを今でも記憶している。だからこそ、「少しかしこくなれるんだったら読んでみようか。」との思いに駆(か)られ、この本を求め、今こうしてペンを走らせている私がいる。
 早速、「数式」とやらを調べてみた。
 数式とは?~「数や量を表わす数字。または、文字を計算記号で結び、数学的な意味をもたせたもの。式。」とある。調べてみて、また、はてな?と考える。説明文に登場する語句の壁にぶつかったからだ。「計算記号?」。概念としては、想像出来るが具体的にと言われれば即答できない私がいて、また調べてみた。「+、-、×、÷」の記号を見てフムフムと、「<、>、≦、X、Y」そうそう、そして、「√、AB=CD…」等々位までは、確かそうだったよねと、しかし「sin、cos、tan、log、(AB) ⃗、(a¦b) 」となってくると、昔習ったよねとなり、これ以降の上のレベルの記号となると認識も定かではなくなる。
 さらに、記号論理の記号、集合論の記号等などとくれば、珍紛漢紛(ちんぷんかんぷん)、お手上げだ。
 いずれにしても、この世の中、数学や科学の世界で必ず登場するのがこの数式。英数字と記号の羅列である高度な数式は、これらの知識を持たない私のような凡人には、容易に理解出来ない世界。
 この本では、「数学」、「生活」、「科学」、「経済」の、それぞれの分野で成り立つ数式がわかり易く紹介されている。この誌面では、「数学」や「科学」、「経済」の分野は、学生や専門家たちに譲り、私たちに身近な「生活」の数式について、書き進めてみたい。
 一つ目は、潜在的彼女の人数を求める数式。
 元々、この数式は、アメリカの天文学者、フランク・ドレイクにより、銀河系の中に文明の星がどれ位あるか数式で示したものを、イギリスの大学院生がこの式を応用して、「彼女になりうる人数」を研究したものである。数式は、G(彼女の数)=N^( *)(英国人口)・fw(女性比)・fL(ロンドン在住率)・fA(適齢期率)・fU(大卒率)・fB(魅力的率)。答えはG=10,510人。これに自分との相性の一致を考えて、魅力率0.05、未婚率0.5、性格一致率0.1をかけると何とたったの26人。ある晩にロンドンでこのうちの一人に出会う確率は、0.000034%。ウーン。この数字を見れば、今彼女がいる、または、結婚されている方は、本当に奇跡のような巡り会わせがあったんですね。
 二つ目は、二日酔いしない飲酒量を求める数式。
 二日酔いしない飲酒量(ml)=(15×体重×飲み始めから翌朝までの時間(h))÷(お酒のアルコール度数×0.8))。面白い数式ですね。この数式で自分で適量が分かれば、賢い飲み方が出来ますね。でも、よくよく飲めない量なんですね。
 三つ目は、西暦から平成へと、西暦から昭和へと変換する数式。
 西暦から平成への変換式は、西暦の下2桁+12で表わせる。例えば、平成元年は1989年。下2桁の89に12を加えると89+12=101、下2桁は「01」、即ち平成元年。
 また、西暦から昭和の場合は、西暦の下2桁-25で表わせる。東京タワーの完成は1958年。58-25=33、つまり、昭和33年となる。これは便利。
 四つ目は、日にち。誕生日を当てる数式。
 誕生日={(生まれた月×2+5)×50+生まれた日}-250
メモ用紙とペンを用意した上で、相手に対して質問する形で試してみて下さい。要領はこうです。"あなたの生まれた月に「2」を掛けて下さい。その答えに「5」を足して下さい。その答えに「50」を掛けて下さい。その答えに生まれた日を足して下さい。その答えから「250」を引いて下さい。"と。私も試してみました。間違いなく「512」となり、合いました。あなたも是非お試しあれ。
 五つ目は、犬や猫の人間でいうところの年令を計算する数式。
 まず、犬の年令については、大型・中型・小型犬により計算式が違ってくる。
 小・中型犬の場合は、24+(犬の年令-2年)×4で、大型犬の場合は、12+(犬の年令-1年)×7で表わせ、そして、猫の年令は、24+(猫の年令-2年)×4で表わせる。
 ペットブームの現在、人に尋ねられてもすぐに答えられない身近な話題だけに、知っていると本当に便利ですね。
 ここまで、生活に身近な様々な数式について、この本を頼りに書かせていただきました。この本には、紹介した数式の他にも数多くの難解な数式についても書かれています。この本をよくよく読み進めていく上で考えさせられたことは、私たちが生きるこの世界は、小学生の算数の世界から、数学、科学、そして経済、生活に至るまで、全ての事象を数式で表わすことが出来るということを改めて知ることができました。
 いずれにしましても、私たちが常に目にする事象を五感で受け止めるだけでなく、改めて地球のみならず、宇宙全体も視野に入れ、数式の世界を意識しながら、日々の暮らしを充実したものとして送っていくことを心に留めて、今月の私のひと言とする

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