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町政情報

平成26年12月

「今年を振り返って」

目を覚ますと冷気が一瞬にして体を覆う。戸外も寝室も、どちらも寒く、以前の様に布団をパッと跳ねのけることが出来ない。戸外に出、雪におおわれた那須の山々を遠望しながら、残り少なくなってきた1年を振り返る。思えば、今年も多難な年だった。想像を絶する自然の脅威を今年もまざゝと思い知らされた。それは、2月の大雪に始まった。今、矢吹町に暮らす全ての人々の記憶にも、記録にもない大雪は、その後の巨大災害を予感させるのに十分であった。姉妹都市三鷹市では、30cm以上も積もった降雹の被害に見舞われた。極めつけは、多くの人命を奪った8月の広島市の土砂災害と、追いうちをかけるかのような9月の御嶽山の噴火だろう。これら災害を防ぐ手立て、または予知することは、結果的に出来たのではと語る専門家、識者もいたことにはいた。しかし、大災害を被った今では遅きに失した。当町も、また、いつ何時災難が降り掛かるか分からない。他人事では決してない。

一方、町の事業、イベントは順調に事が進んだ。中でも、「矢吹町・三鷹市姉妹市町締結50周年記念式典」と「復興感謝祭」が、盛大に開催出来たことは、何よりも有難かった。清原三鷹市長始め多くの三鷹市の幹部の皆さんと固い握手と共に、百周年に向けた永続的な両市町の交流を誓わせて頂くその場面に立ち会うことが出来、感無量であった。

しかし、まだゝ課題が多いことも事実。特に、今年の冒頭に災害復旧、そして復興について、次の項目についての話を町民の皆さんにさせて頂いた。

まずは、1,000ケ所にも及んだ災害復旧を約束の3月末までの3年間で必ず終らせること。

二つには、町なか、殊に中心市街地の復興を実感出来るよう、形あるものを皆さんにお見せすること。

三つには、除染を加速させること。

四つには、防災体制の再構築策を図ること。

併せて、まちづくり総合計画の着実な実施を図ることなどを声高に話し、皆さんに誓わせて頂いた。その進捗状況の概要を報告したい。

始めに、災害の復旧については、最後まで手を焼いた農地・農業施設の復旧も、ほんの一部を除いて完了することが出来た。農家の苛立ちの声がなかった訳ではないが、約束の時期までに復旧を果たすことが出来たことにまずは一安心。

町なかの復興については、実に多くの声を頂いた。商工会・商店主、東大生研・東農大の先生、学生、さらに中心市街地復興協議会を中心に小学生・中学生・高校生を含む多くの住民の皆さんが、「復興まちづくり」について、話し合って頂いた。これほど時間をかけることが本当に必要だったのかと判断に悩んだが、今となればこの4年の月日は、誠に貴重な時間であったと心から思う。

計画にある、道路の形状や防災公園の整備の具体的な工程は、まだゝ議論の余地を残してはいるが、既に1区自治会館、52戸の災害公営住宅、そして屋内外運動場の建設については、工事に着手、または年内に着手の手筈が整ったことを皆さんに報告できることを嬉しく思う。

厄介な除染についても、平成27年度内の全町内完了を目指し、作業を急いでいる。町では、比較的線量の高い町西側地域を最優先に順次除染を実施し、既に、田内・柿之内地区の面的除染は終了した。現在、4区・井戸尻・堰の上地区の除染を進めている。併せて、JR東北線を境に、西側地区の1区・2区西・3区西・滝八幡・花咲地区の全家庭の詳細線量調査をほぼ終え、11月からは、町東側地域の2区東・3区東・5区・6区地区、さらには、中畑地区の全家庭の線量調査を実施中である。早ければ、12月からは三神地区の線量調査も実施したい。

防災体制再構築の作業も、概ね順調に推移している。耐震性飲料水兼用貯水槽の設置については、先月11月までに一基を文化センター駐車場北側に、もう一基を矢吹小学校グランド南側の地中に埋設し終えた。この後は、三神・中畑地区の整備を進めていきたい。

備蓄倉庫の整備も年度内完了を目指して現在、文化センター南側の一角に急ピッチで建設中だ。震災時の反省を踏まえ、万一の備えとして、応急資材、機材、食料等を備蓄しておくことが出来ることになる。また、震災時はもとより、震災以前から皆さんに指摘を受けていた、屋外・屋内行政無線の整備も今年度から始まった。手始めに、今年度は難聴地域解消の為、屋内デジタル受信ラジオ1,000台の無償配布を実施することとした。年を追って、順次、台数の補完を図りながら、計画的に整備を図りたい。

この他にも、復興計画に網羅されている内容は多岐に亘る。出来るだけ早い時期に、皆さんの安全・安心の確保を図ることを重ねて約束する。

結びに、矢吹町の人々は、今年も多くの場面で光り輝いた年だった。

文化・スポーツ面の小・中学生の頑張り。光南高校生も活躍した。また、大人の人々も力を出し切った。野球・ゴルフ・ソフトボール・駅伝の市町村対抗試合等での好成績は見事だった。特に今年初めて開催されたソフトボール大会では、第3位の輝かしい成績を残した。そして、つい先日まで開催されていた「あゆり祭」も秋を彩って頂いた。明るさと元気、喜びと感動をありがとう。

千葉麻美選手の雨中での日本陸上選手権大会での力走も、忘れることは出来ない。

DeNAベイスターズ中畑清監督の続投も決まった。来年も後援会として応援出来る。何より嬉しい。

お二人はもとより、町民全員の来年の更なる活躍を心から願う。

いよいよ、平成26年も間もなく終わる。

繰り返すが、今年度は、復興を実感できる年にしたいといってスタートした。しかし、未だ復興は道半ば。年明け早々、更に努力を重ねることを誓い、今年最後のひと言とする。良い正月を。

矢吹町長 野崎 吉郎

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