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町政情報

令和元年11月号

「 睡眠の教科書 」 

 10月12日から13日にかけて発生しました台風19号により、全国各地で甚大な被害を受けております。改めて、亡くなられた方に対し、心からご冥福をお祈り申し上げますと共に、被害に遭われた方にお見舞いを申し上げます。

 

"秋眠暁を覚えず"あれっ?何か違うよね。本来は"春眠暁を覚えず"が正しいことは、誰でも知るところ。夏が過ぎ、秋も深まりつつあるこの時期、春に劣らず眠くなる季節と感じているのは、皆さんも同じでは。暑い夏、なかゝ寝付けなかった日々の疲れが、涼しくなった秋に入ってどっと出る。身に覚えのある方がたくさんいるのでは。かくいう私もその1人。本当によく眠れ、たまに公務のない日は、いつもより1~2時間、布団の中で眠りを楽しんでいる。
 ところで、皆さんは、「睡眠負債」という言葉をご存じでしたか。私は、ある本に出会うまでこの言葉を知らず、この本を読んで初めて知ることができた次第。
 この本とは、私の愛読書の一つで「Newton」10月の別冊号「睡眠の教科書」で目にした言葉である。この本では、睡眠負債を始め、睡眠のあれこれを科学し、病気との関わり等を論理的に解説し、非常に分かりやすくためになる内容となっている。私達の人生の3分の1を占める睡眠。今月はこの教科書に基づいて書き進めてみたい。
 まずは、「睡眠負債」についてであるが、睡眠負債は2017年のユーキャン新語・流行語大賞のトップ10にランクインされている。本来、毎日8時間の睡眠を必要とする私たちが、ある日何らかの理由で6時間しか眠らなかったとする。この2時間の睡眠不足が何日も重なり、数日から数週間単位で睡眠不足が慢性化した状態を「睡眠負債」と呼んでいる。驚くべきは、何と日本は世界一の「睡眠負債大国」というのである。これを裏付けるかのように、OECD(経済協力開発機構)の統計によれば、日本人の平均睡眠時間は、先進26ヶ国の平均8時間25分より1時間も少ない7時間22分となっている。しかも年々短くなる傾向にあるという。睡眠負債を抱えない唯一の方法は、自分に必要な睡眠時間を、毎日しっかりと確保することに尽きるというわけである。では、睡眠時間をしっかり確保するには?ということになるが、この本では、それは心地良い眠り=快眠を得ることだと解説している。快眠を得るためには、寝室環境面を挙げ、「暗くして、静かにして、快適な温度と湿度を保つ」の三つをアドバイスしている。
 まず一つめの「光」は、入眠を妨げ、睡眠途中の覚醒をもたらす刺激であり、睡眠に悪影響をもたらすもと。但し、真暗だと不安になることもあるので、就寝時の照明は、最小限の明るさにするのが良いとされている。また、起床前後に朝の日の光を浴びると、体内時計がリセットされ、正常な睡眠リズムを作るのに役立つことから、寝室のカーテンは、ある程度光を通すものが適しているとある。
 二つめの「音」。音も同様に睡眠を妨げる刺激。特に、人の話し声は大きな覚醒作用があり要注意。眠りにつく前、音楽を聴くと眠り易いという人もいるかもしれないが、その場合、オフタイマーを利用して、入眠後は静かにすべきという。
 三つめは「温度・湿度を保つ」。夏も冬もエアコンを朝まで点けておき、快適な温度と湿度を保つのが良く、電気代が高くつくといってエアコンを切って寝るというのは、快眠の観点から間違いという。
 最後に、睡眠と病気についてですが、ずばり「睡眠負債は命を縮めます」と断じている。こう書くとドキリとしますが、これは、睡眠時間と死亡率の調査でも明らかになっている。この調査によれば、寝不足の人も、長く眠る人も死亡率が高いとの結果が出ている。平日の夜の睡眠時間が7時間を「1.00」とした場合、4時間以下だと男性「1.62」、女性「1.60」。また、10時間以上になると男性「1.73」、女性「1.92」の相対値となり、短すぎても、長すぎても死亡率は増加。1日およそ5時間以下の睡眠時間で問題ない人を「ショートスリーパー」と呼びますが、真のショートスリーパーは数百人に1人以下しかおらず極めて稀。逆に毎日長時間眠る人を「ロングスリーパー」と呼び、理論物理学者A.アインシュタインは1日10時間も眠るロングスリーパーだったといわれる。1日4時間しか眠らなかったといわれるフランス皇帝ナポレオンも、実は、日中よく居眠りをしたといわれており、実に面白い。  
 また、別の調査によれば、睡眠負債を抱えている人ほど、太っている人が多いことが分かっている。この傾向は子供でも大人でも同じであり、例えば、毎日10時間以上睡眠を取っている子供に比べ、8時間以下しか眠っていない子供は、3倍近くも肥満度合が高くなっており、大人では、1時間睡眠時間が少なくなると、BMI(肥満指数)が上がり、例えば、身長170センチメートルの人の場合、約1キログラムに相当するという。 この他にも、この調査では、睡眠不足により、「高血圧」と「糖尿病」の発症が多くなることも分かっている。このように、快適な睡眠を取る、つまり睡眠負債を解消することで、これらの病気から自分の身を守ることが出来ることを、改めて強く認識した次第でもある。
 昔から「寝る子は育つ」、「睡眠は薬にまさる」といわれているが、今後は、ゲームの時間と、深更にも及ぶ残業や飲酒を減らし、心地よい睡眠=快眠の日々を送って頂くことをお願いし、今月の私のひと言といたします。

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