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町政情報

令和元年5月号

「笑うだけ健康法」

 笑門来福~笑う門には福来たる。
 いつも、にこやかに笑いが絶えない人の家には、自然と幸福がやって来るという。
 こう書いていて、しばし沈思黙考。はて、私はどうなのだろうかと。大声で、腹が痛くなるほど笑ったのはいつだったのか、思い出そうにも思い出せない。努めて、笑顔で人と接するよう心掛けてはいるが、心から笑えていない自分にハッ!とすることも度々だ。そんな矢先、ある本にであった。
 本の名は、「日経おとなのOFF2月号」。タイトルは「笑うだけ健康法」という雑誌だ。今月のひと言に書こうというキッカケは、その本の表紙に書かれていた文章だ。“1週間に1回も笑っていない男性が2割”と。あれっ!これって私のこと、と思い、買い求め、読んでみた。
 この本の“笑えない”データによれば、40代以上の男性の場合、約15~25%が「1週間に笑う回数が1回未満」という結果が出ている。一方女性は、男性よりよく笑っているというデータが、同調査から明らかになっている。男女全体の比較では、「ほぼ毎日笑っている」人が男性で40%なのに対し、女性は53%。また、笑いの頻度で、「1週間に1回未満」という項目では、男性が20%に上るのに対し、女性は10%にすぎなかった。この調査では、「笑いの素とは何か」という質問も行っている。それによると、男女とも最も多かったのは「家族や友人と話すこと」である。仕事が忙しく帰宅が遅くなり、話し相手の家族がすでに就寝、なんてことはまあまああること。仕方なしに1人TVの前に座って“面白くない”と呟く自分がそこにいる。笑い声を上げる機会が閉ざされているのが現代社会の常でもある。ストレスが溜まらない筈がない。
 さて、話しを元に戻すが、この本では、笑うことにより何故、運動効果とストレス解消効果が図られるのか、また何故、免疫力がアップし、ガンの予防、そしてガンの発症後の痛みが減り、ガンの進行を遅延させるのか、さらには、認知症、糖尿病等々の病気の予防に効果的なのかを、それぞれの症例ごとに笑いの効能を明らかにしている。
 なかでも、医学的な笑いの研究によれば、研究対象となる「ハ・ハ・ハ」という周期性のある、歯が見える程のこの笑いを、「運動」としても捉えている。お気付きのように、実は、大声を出して笑う時には、腹筋をはじめ体の様々な筋肉が使われており、また、呼吸が深くなり、酸素を多く消費することになる。つまり、笑いは、無意識のうちに有酸素運動を行っているのだ。
 1日15分笑うことで、安静時よりも消費カロリーは約20~40キロカロリーを消費し、10分間のウォーキングに相当することが明らかになっている。
 もう1つの笑いの効果は、ストレス解消効果。「笑うと腹式呼吸をしますから、副交感神経が優位になってリラクゼーションを導き、また、脳内リセット効果が見込める」という。脳内リセット効果とは、「大笑いすると、頭の中が一瞬、空っぽになり、ストレスを生む悪循環の思考が遮断され、身も心もスッキリする」ことをいう。このように、笑いは、体と心の健康に好影響を与えるという。その代表例が免疫力のアップである。笑いはNK(ナチュラルキラー)細胞を活性化させることが判明している。健康な人でも、毎日3,000~5,000個のガン細胞が発生しているという。そのガン細胞を攻撃し、破壊して、ガン発症を食い止めているのがNK細胞であり、大笑いすることでNK細胞の働きが活性化し、免疫機能を正常化させることが実験で確認されている。ここで興味を引くのは、「作り笑い」で、2時間笑顔を続け、NK細胞の変化を調べた実験でも、働きが良くなることが明らかになった。面白いのは、漫才や新喜劇を観賞し、3時間大笑いしたらNK細胞の活性が低かった人が全て正常範囲までアップしたという。また、すでにガンに罹患した患者に笑いを取り入れた治療を施したところ、笑うことでNK細胞が活性化し、ガンの進行速度が遅延し、痛みが軽減するといった症例が数多く報告されている。
 次に、取り上げるのは、笑いが少なくなってきたと感じる我々、いわゆるOFF(オフ)世代にとって気になる病気の1つ、認知症についても触れてみる。結論からいえば、笑いは認知症の予防効果が期待できるということだ。この本では、65才以上の男女を対象に笑いの頻度と認知機能との関連も調査している。結果、声を出して「笑うことが殆どない」人は、「ほぼ毎日笑う」人に比べて認知機能の低下症状が2.15倍高いことが分かっている。
 さらに、認知機能の低下が見られなかった人だけを集めて、1年後に同じ調査をしたところ、「笑うことが殆どない」人は、「ほぼ毎日笑う」人の3.61倍、認知機能の低下症状が見られた。では、何故笑いが認知機能の低下に予防的に働くのかだが、「笑うことで脳が活性化し、脳の血流量が増えることになる。また、笑いは多くの場合、人との接触のなかで生れる。つまり、社会的な関係が増えることが認知機能にプラスに働くのである」という。
 この他にも、笑うことで糖尿病、血管病等々、様々な病気を予防することが、この本の中で明らかにされている。誌面の都合で紹介出来ないのが残念だが、ご容赦願いたい。
 最後に、年齢が上がるほど笑う頻度が低くなるという。そこで、私はある目標を立て、実行することにした。皆さまにも推奨したい。それは「1日1回、15分間、声を出して笑う」こと。赤ちゃんは1日400回笑うという。赤ちゃんのようにはいかないが、いかがでしょうか。
 平成が終わり、「令和」の時代を迎えます。皆んな仲良く、笑い声と共に新しい時代を切り拓いていくことを心に誓いながら今月の私のひと言とする。

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