平成23年11月

「復興への道のり」

 今、町はどれだけのことを、どうすべきかと多くの課題を抱えている。解決の道のりは険しく困難を極めるが、課題解決にむけ躊躇(ちゅうちょ)することなく、急ピッチで取り組みを進めている。

 まずは震災により大きな被害を受けた道路、農地を始め、下水道・農業施設、社会・教育施設等の復旧工事だ。国の災害査定も大方終え、順次各工事の調整を図りながら、早期の本格復旧に向け作業を急いでいる。車の通行等に長らく迷惑をかけてきたが、基幹道路を手始めに、目に見えて元のやぶきの姿に戻りつつある。町の中心街の通行止めの原因でもあった旧矢吹デパートの取り壊しも予定通り、順調にスケジュールをこなしている。間もなく工事を完了し、町の中心街の中町・中央商店会等に、かつての賑わいを取り戻す日も近い。他の施設も同様に、年内、また年度内に復旧工事を終了できることも嬉しく思っている。

 また、町の基幹産業でもある米づくりも、来年の作付け実施に向け、全力を挙げて環境整備に当たっている。約1,600haの田んぼの作付けも、今年は羽鳥幹線パイプラインの壊滅的な被災により、約40%、600ha余の作付けに終わったが、来年2月迄には工事を完了し、3~4月の通水試験を経て、例年通り5月1日の通水に向け、順調に工事が進んでいることを農家の皆さんにお知らせする。「来年の通水は大丈夫か。」「間違いなく来年はおコメを作れるのか。」と不安を口にする農家の皆さんの多くの声を耳にするが、万が一にもおコメが作付け出来ないといった事が起きないよう工事の進捗状況を注視していきたい。

 稔りの秋を迎え、辛うじて作付け出来た田んぼの稲刈りも順調に行われている。収量も品質もまずゝとのこと。放射能の風評被害が拡大するにつれ今年産のおコメの安全性が心配されたが、その杞憂も喜びに変わった。原発事故を受けて実施された町内産米の汚染の本調査結果が9月30日に発表され、町内8カ所の全検体が、食品衛生法の暫定基準値を下回ったからだ。

 その後、県は10月12日に、今年作付けされた県内48市町村全域のコメが出荷可能となったことを受け、安全宣言を行った。大丈夫だという思いはあったものの、本当によかった。こんなに嬉しい知らせはない。今年も矢吹の美味しいおコメを自信を持って消費者に届けられるし、何よりも農家の大きな不安が取り除かれたからだ。

 しかし、まだゝ喜ぶのは早い。困難な課題のいくつかが解決しただけであり、この後も、更なる町の復興が急がれるからだ。建物が取り壊された更地を、また、大きな被害を受けた商店街を、そして、崩れた田んぼの土手を見るにつけ、「まだゝ、これからだ」と気持ちが引き締まる。とり分け、中心市街地の復興と放射能の恐怖からの脱却を考えたとき、やぶきの再生はこの先も困難を極めるだろうが、町民の皆さんと手を携えて歩んでいく決意を更に深めている。やぶきの人々の笑顔と元気を取り戻すために。

矢吹町長 野崎 吉郎

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