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町政情報

平成23年7月

「放射能への備え」

6月議会が終わった。チョッと一息ついた今、こうしてペンを走らせている。

 一般質問には8名の議員が登壇し、2日間かけて議論を交わした。震災の復旧・復興計画、被災者への支援策、原発事故による風評対策。どの議員の質問も、これらの論点で一致していた。まさしく、町が抱える緊急かつ重大な課題だ。

 これら課題解決に向け、迅速な住民の安全・安心の確保と住民の目線に沿った復旧、応急対策に全力を傾注することを約束させて頂いた。形ある物の多くが壊れはしたが、時間の経過と共に、目に見えて再建が進みつつある。喫緊の課題は、目に見えない敵、放射能の対応と備えである。

 かつて私は、この誌面で「災害への備え」と題し、台風や地震等の心の準備・備えについて書かせて頂いた。「かつて私たちが経験したこともなく、また、想像を絶する規模の危機が、私たちの暮らしを脅かしつつあることを意識しなければならないだろう…災害防止のために予報・予知・勧告も含め、あらゆる研究と懸命の対策を講じるものの、自然の脅威は、人間の知恵、科学を凌駕し、いかに人間の存在が小さいかを思い知らされる。」と。

 そして、今回、超巨大地震と津波が東日本を襲った。しかし、私たちは忘れていた。私たちの意識の中から「原発事故」だけがスッポリ欠落していたことを。「安全神話」は通用しなかったのである。放射能汚染は、あまりにも大きな脅威であり、まさしく今、人間としての生存を脅かす危機に直面している。議員からは、子ども達の安全対策はどうなっているのか、再び前回を凌ぐ大規模な爆発があった場合の町の対策をどう執るのかの質問に、国・東電の明確な情報・指示のない中で、その答えをすぐに用意出来ないもどかしさを感じている自分がいる。しかし、手をこまねいている訳にはいかない。町としても、住民の生命・身体、とりわけ小さな子ども達の健康を守るため、今出来得る限りの対策をとらせて頂くべく対応中である。

 具体的には、正確な放射線量のきめ細かな測定。まず、当町の正確な状況を把握すること。当町の放射線量については、現在国が示す空中放射線量の基準値を下回っているとはいえ、“安全とは言えるものの、安心ではない“という考えをもとに、町の幼・保育園、小・中学校の全ての園・校庭表土の入替を速やかに実施することや、園・校舎の高圧洗浄機による除染を実施。夏の暑さ対策として、全園・教室に大型扇風機を導入することや、ヨシズ・グリーンカーテンのエコ対策にも当たりたい。また、通学路の草刈り、側溝清掃も実施することも答えさせて頂いた。

 万全とは言えないまでも、今考えられることと出来ることを実施して参りたい。

 しかし、私たちが考えなければならないことは他にもある。私たちはこの難局に冷静に対応することが必要なのではと。むしろこちらの方が重要なのかもしれない。

 いずれにしても、今やるべきことは、被害現場の一日も早い復旧と安全対策。そして、近い将来の新生矢吹を見据えた「復興ビジョン」の策定。

 そのためにも、この大震災の大きな爪痕を決して忘れてはならないし、生きている地球のダイナミックな気まぐれとも言える「次の自然の脅威」に備えることも忘れてはならない。

矢吹町長 野崎 吉郎

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