平成26年5月

我家に「ハナ」が来た

我家に「ハナ」が来た。桜の開花に合わせて我家に「ハナ」が来た。生後三ヶ月になるメスの幼い小犬が、我家の一員となったのだ。

「ハナ」と名付けたのには、二つの理由がある。一つには、桜の花が美しいこの季節に家族として迎えたことにかこつけたからであり、二つにはNHK連続TV小説「花子とアン」の主役「ハナ」に似ていたからであった。いずれにせよ、「ハナ」を加えて、10歳になる「アニキ」と1歳となった「チビ」のオスの愛猫2匹と、「カメ」という名の4歳になる性別不明の1匹、総勢8名と4匹の大家族となった。

「ハナ」を家族として迎えることとなったいきさつはこうだ。4月初旬、休み明けの朝のことだった。庁舎職員通用口に差し掛かる手前に下屋がある。私の足音に気づき“キューン、キューン”と鳴く声が、下屋のブルーシートで囲われた辺りから聞こえた。正体は、休日中に町内で保護された幼い小犬2匹だった。何日放置されていたのだろうか。寒かったのだろう。不安だったのだろう。2匹とも体を震わせ、哀願するかのように鳴き続け、また、私に救いを求めるように、ゲージ越しに前足をせわしげに動かし続けた。

この時思った。これは何とかしなくてはいけないと。出勤した担当職員に小犬の引取り先を探すように指示をした後、我家にも早速電話。“小犬が2匹いる。何とか飼えないか?”と頼んではみたが、家内の返事は“NO”。分かりきったことでもあったが、一応お願いはしてみた。案外動物を飼い育てることは、手間がかかる。以前からの住人である3匹を面倒みている家内からすれば当然の返事であった。困った。昼食後、担当職員に状況を聞き、再度引取り先を探すように指示。1日ないし2日程度の余裕はあるのではと高を括っていたが、さにあらず。夕方の帰宅の際に、ゲージを覗いた。居る筈の小犬の姿はすでになかった。庁舎内に引き返し担当職員に事情を聞くと、すでに保健所へ運んだとのこと。何とか各課職員に引取りのお願いをしてみたものの、見つからなかったとの返答。落胆しつつも、よくよく説明を聞くと全く脈がない訳でもないことが判明。1匹だけ引き取ったのでは残りの1匹が可哀そうなので、引取りを断念したとの情報を入手。そうとなれば思案のしどころ。一計を案じ、家内にも家族にも内緒で、譲受申請書を町を通じ保健所に提出した。

早くも翌日のお昼時、我家の電話が鳴った。保健所からの引受確認の連絡だった。丁度私も居合わせていた。内心ドキドキしながら電話のやり取りに耳を澄ませた。家内の顔色を窺った。仕方なし、なしといった笑顔?とともに“本当に飼うの?”の一言。“やった!”と思った。あれこれと言い訳しながら、いきさつを説明。はっきりと承諾を得たわけではなかったが、ここからが腕の見せどころだ。それからが忙しかった。間髪をおかず、翌日、時間のやりくりをしながら保健所に向かった。引き取る前に、スーパーで移動ゲージを、リードを、エサを、給餌・給水器を、マットとベッドを、防寒シートを、そして排泄用トイレを購入した。準備万端整えて「ハナ」を引き取った。

正式に家族の承諾を得ていないといった不安を抱きつつ、家族とご対面。「本当に連れて来たの?」とは、家内の開口一番の言葉。と同時に「ハナ」は家内の腕の中。母は「メンコイこと」といって「ハナ」の頭を撫で、父は無反応。「アニキ」は何事かといった風情でガラス戸越しの歓迎。「チビ」はおっかなビックリで距離を保ち身構えた。「カメ」は何が起きたかも分からず仕舞。遅れて息子と孫たちもご対面。早速「ハナ」を連れてお散歩に。心配は解消され、こうして温かく家族全員に迎えられ、晴れて「ハナ」も我家の一員となった。今さらではあるが、生命あるものを家族として迎えることは大変なこと。生き物を飼うということは、その生き物の生命の責任を負うということであり、また、その責任を全うしなければならないことでもある。飼い主として、その自覚を持ち、生命を無駄に絶やさない為にも「ハナ」を可愛がって育てていくことを約束し、今月の私のひと言とする。

追伸 残りの1匹も無事引き取られたことを報告いたします。

矢吹町長 野崎 吉郎

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