町政情報
平成29年2月
「お正月」
お正月を迎えたと思ったら、早いものでもうすぐ大寒。
大寒は、1年で最も寒い時期。連日、凍えるような厳しい寒さが続いている。今朝は、とりわけ寒かった。もちろん、この厳しい寒さは、この冬最強の冬将軍が原因だ。日本の上空を覆う、シベリア寒気団がいつにも増して南下しており、数日前からその勢力は劣れ知らずで、東北、日本海側に大雪を降らせ、その影響により、各地に大きな被害をもたらしている。この後の冬将軍の機嫌が気になるところだ。外の降る雪を見ながらこんな童謡を思い出し、思わず口ずさんだ。
「雪」(作詞:東くめ、作曲:滝廉太郎)
「一、雪やこんこ、あられやこんこ 降っては降っては
ずんずん積もる 山も野原も わたぼうしかぶり
枯木残らず 花が咲く
二、雪やこんこ あられやこんこ 降っても降っても
まだ降りやまぬ 犬は喜び
庭かけまわり 猫はこたつで丸くなる」
今、寒さをしのぐため、「寒い、寒い」と言って、愛猫「アニキ」と「クーチャン(クロエ)」と一緒に炬燵に入っている。
「クーチャン」は炬燵の中、「アニキ」は、いつもの指定席の私の膝の上。愛犬「ハナ」は寒さをものともせず、外におり、しきりにウロつき、道行く人が通る度に吠えている。しばし、ほっこりとした時を過ごしていると、また次々と昔の童謡、唱歌が思い浮んできた。次も童謡。
「おおさむ こさむ(大寒、小寒)」(作詞・作曲:わらべ歌)
「大寒 小寒 山から小僧が泣いてきた(飛んできた、やって来た) 何んといっ
て泣いてきた(飛んできた、やって来た) 寒いといって泣いてきた(飛んで
きた、やって来た) 大寒 小寒」
「大寒」、「小寒」の概念については、調べてみると諸説がある。北風小僧の兄弟の名前だとする説。また、「おゝ寒い」が「大寒」、「小寒」に変化したという説。しかし、私が思うには、24節気の「大寒」、「小寒」の時期の寒さを表現した童べ歌と素直に考えているが、皆さんは、どう思われますか。
まもなく大寒の20日を迎え、そして、次は立春。「寒の内」を過ぎれば、寒さの中にあっても、春到来の兆しを感じることが出来るようになり、何だか委縮していた心と体も開放され、暖かさも感じてくるのは私一人ではないのでは。
次は、過ぎゆく正月、この歌を口ずさんでみたい。
「お正月」(作詞:東くめ、作曲:滝廉太郎)
「一、もういくつねるとお正月 お正月には 凧あげて
こまをまわして 遊びましょう はやくこいこいお正月
二、もういくつねるとお正月 お正月には まりついて
おいばねついて 遊びましょう はやくこいこいお正月」
そして、次はこの歌。
「一月一日(いちげついちじつ)」(作詞:千家尊福、作曲:上真行)
「一、年の始めの 例ためしとて 終わりなき世よの めでたさを
松竹 門ごとに 祝う今日こそ 楽しけれ
二、初日の光 差し出いでて
四よ方もに輝く 今朝の空
君が御影に 比えつつ
仰ぎ見るこそ 尊けれ」
但し、「お正月」の歌詞の中の「凧あげ」、「こままわし」また「まりついて」、「おいばねついて(羽子板つき)」遊んでいる子どもは近年目にすることは稀だ。庭先で、空地で、野原で遊ぶ子どもはもういない。私たちの子どもの頃と今ではお正月の風景は一変した。外で遊ぶ子どもがいないお正月の景色を寂しく感じている。
もう一つの唱歌「一月一日」。私なりに、解説してみたいと思う。「今の平和な世が、終ることなく繁栄し続けることを願って、家々では門松を立て、ご近所揃ってお祝い出来る今日の日は、めでたく楽しい。また、初日の出の光りが、徐々に空を輝かせ、四方が晴れ渡った今朝は、元旦に相応しくめでたいことだ。この空のように、天皇陛下が健やかであるようお祈りする。」と。
ご存知のように、古来日本人は、元旦には、家々に新年の幸せをもたらすために、高い山から降りて来る神様を「歳神様」として迎え、その年の豊作を願って、様々な行事を通じて、神様にお祈りを捧げてきた。自然の恵みに感謝し、すべてのものに神様が宿ると信じていた日本人。亡くなった祖先の魂が、田んぼや山の神様になり、子孫の繁栄を見守ってくれている。このように、日本人なら誰でも持ち得る正月観。先に書かせて頂いた唱歌、童謡、童べ歌などにもあるように子どもたちが生き生きとたくましく育つ。そして誰もが同じ思いを抱くなか、仲良く、仲睦まじく、また祖先を敬い生きていく。ご承知のように、一月の別称は「睦月」。誰もが一緒に正月に一歳年を重ね、家族はもとより親族が互いに往き来し、仲睦まじく宴を催す。これが「睦月」のいわれでもある。
因みに、新年の挨拶、「あけましておめでとうございます」とは歳神様に向けて、「ようこそ今年もおいでくださいました」「今年もどうぞよろしくお願いします」という、感謝や祈りと共に祝福の言葉が語源といわれている。
新しい年を迎え、過ぎゆくお正月の有難さを、今一度、肝に銘じながら今年一年、更に気を引き締めていくことを約束し、今月のひと言とする。
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