平成26年7月

梅雨どきの2つの出来事

今年の梅雨入りは、平年より10日程早かった。ペンを走らせている今は、陰暦では5月。現在の6月は五月雨(さみだれ)の季節という。あらためて、6月の梅雨どきに降る雨を五月雨と呼ぶことを或る本を読んで知った。

梅雨入りは立春から数えて135日目ということも。恥ずかしい限りだ。大体6月の初旬から中旬にかけて、その日から30日間が梅雨どきとなる。例年、6月中旬から7月上旬にかけて、日本列島では雨季が生じ、梅の実がだんだん黄色く熟する頃に降る雨を例えて「梅雨」と呼ばれることになったという。まことに、最もな説明に、また一人頷く。そう言われれば、我家の庭の梅の古木の実も大きくなり、日々色づき始めている。しかし、どうもこの梅雨の時期を私は余り好きでない。子どもの頃からだ。ジトジトと降る雨は気分を滅入らせ、特に古ぼけた家屋で暮らしていた私の生活空間では、至るところにカビが生え、台所ではナメクジが必ず、その奇妙な姿を見せていた。いずれにしても、梅雨どきのイメージは総じて良くない。梅雨に雨が降るのは仕方がないと半ば諦めてはいるものの、今年の梅雨入り直後のあの2日間だけは、雨が降って欲しくはなかった。その理由はこうである。

一つには、6月7日に開催された2014日本陸上選手権大会2日目のことだ。その日は、女子400mの決勝が行われた日だ。矢吹町が生んだ、日本女子陸上界のスーパースター千葉麻美選手が走ったのだ。千葉選手の晴れ姿を見、応援するために、今年もいつもの様に、「矢吹町千葉麻美選手後援会」会員20名が試合会場に駆けつけた。前日は小雨。当日の天気の回復を祈ったが、前日よりも強い雨が降っていた。最悪のコンディションだ。私は思い出していた。6年前の川崎等々力競技場で開催された日本陸上選手権大会も雨であったことを。そのレースは、北京オリンピック参加標準記録「A」の出場権獲得目指して臨んだレースだった。でも、叶わなかった。雨の日は記録が出にくい。しかも、千葉選手は、雨のレースを苦手にしているのではないかと、私は思っている。そんな思いを巡らせているなか、レースは始まった。足を運んだスタジアムの殆どの観衆は、千葉選手を応援しているようだ。私たちも第3コーナーに陣取り、声を張り上げ懸命に応援した。記録は伸びなかった。6年前と同様に。伸び盛りの高校生2人の背中を見てのゴールだった。千葉選手の胸に去来した事は何だったのかは、私は窺い知れない。

時間が経過し、TVで拝見した千葉選手の顔を見て、胸を撫で下ろした。TVでは笑顔と共に、いつもの充実した表情が見てとれたからだった。子育てしながらの女性短距離アスリートは、過去、日本陸上界には誰一人いないという。誰もが今まで成し得なかった、千葉麻美選手の夢の実現を、私たちは見届けたい。

二つには、6月9日の開成山球場での出来事だ。その日は、横浜DeNAベイスターズ対東北楽天イーグルス戦が開催された日だ。「矢吹町中畑清監督後援会」として、一般200名、招待された矢吹町の小学生132名、合わせて332名が、中畑監督の応援に駆けつけたのだ。奇しくも、今年も雨。昨年8月の巨人戦は8回頃から、土砂降りの雨。今年は、初回からゲームセットまで雨。しかも、試合内容まで昨年と同じ。いいところなしだった。惨敗だ。

しかし、3塁側、レフトスタンドに陣取ったベイスターズ応援団、そして、私たち332名の後援会員は、最後まで懸命に応援し続けた。ベイスターズを、そして何よりも中畑監督をだ。成績は今のところ低迷中だ。まだ前半戦。挽回のチャンスは、まだまだある。この次の試合でも懸命に後援会として応援する覚悟だ。今、応援する仲間を募っている。今年4度目となる次回の応援バスツアーは、7月6日(日)の横浜球場を予定している。会員の、そして、町民の多くの参加をお願いしたい。

ここまで書かせて頂いたように、二つの試合等は、いずれも梅雨の雨にたたられた。私の身近な人たちは、いつか私をこう呼ぶようになった。“雨男が居るから仕方がない”と。そう言われる度に、余計に雨が嫌いになる。しかし、そう言われようとも私はくじけない。諦めない。皆さんと共に二人を応援し続けることを。

以前、私はこの誌面にこう書かせて頂いた。“インポッシブル イズ ナッシング(不可能はない)”と。

矢吹町には千葉さん、そして、中畑さんが居る。お二人は矢吹町の元気の「源」だ。まだまだ可能性を追い求める二人に拍手とこの言葉を贈りたい。

うっとうしい梅雨が終れば夏が来る。7月には蝉が鳴く。蝉の鳴き声と共に、お二人の嬉しい活躍のニュースが届くことを祈るばかりです。当面は千葉選手のアジア大会での活躍と、中畑ベイスターズ大躍進を心からお祈りし、今月の私のひと言といたします。

矢吹町長 野崎 吉郎

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