令和元年8月号

「梅雨の紫陽花」

 今年の梅雨らしい梅雨を歓迎すると7月号に書かせて頂いたが、この頃の雨の降りかたを見ていると余りにも雨が多く、それはそれでまた、悩ましい。梅雨寒の日が続き、日照不足が心配される今年の夏は、26年前の冷夏の再来ではと警鐘が鳴り始めている。平成5年の記録的な冷夏は、大幅な米の減収により平成の米騒動を引き起こすに至った。今年の夏も、その年の状況と酷似しているというのだ。今望むことは、1日でも早く晴れ間が戻り、気温が上昇してくれることだ。気分的に、日中でもこうも薄暗く肌寒い日は真平御免。酷暑の夏は遠慮したいが、やはり、夏はギラギラした太陽がよく似合う。
 とはいえ、考え方次第では、今置かれた気候の中にあっても楽しみが無いわけではない。その楽しみを自分なりに見つけた。その1つが雨でジメジメとし、肌寒い中にあっても、とり分け美しく咲き誇っている「紫陽花」の存在が憂さを晴らす。今年の紫陽花の美しさは格別であり、一雨降る毎に花の色を変えるその存在は際立っている。
 町なか車を走らせると、ここかしこで雨に煙る紫陽花を見ることが出来る。我家の裏庭にも咲いている。大株の紫陽花4株が無数の花を付け、ここぞとばかりに咲き競っている。6月の初旬に白い小さな花を咲かせてから約1ヶ月余り。次々に色を変え、白、黄緑、ピンク、そして青へと、実に見事な七変化。毎年、花の色の移り変りを楽しんではいるが、この紫陽花についても謎だらけ。気が付けばどこにでも咲き、何気なしに目にするこの花について知らないことばかりだ。なぜ、紫陽花と書いて「アジサイ」と呼ぶのか。なぜ、次々と花の色が変るのか等々。そんな不思議な花、紫陽花のなぜについて、今月は解き明かしていきたい。
 まずは、紫陽花の原産地。私自身は中国あたりかなと思っていたが、何んと嬉しいことに、原産地は日本に自生していた「ガクアジサイ」であり、原産地は日本。この時期、日本を代表する花であり、原産地が日本であることを知り喜びも格別であり、誇らしい。
 次に、紫陽花の名前の由来。紫陽花は、なぜアジサイと呼ばれているのかであるが、諸説あるが、私は次の説を支持したい。元来、紫陽花は「あづさい(あづさヰ)」からと言われ、「あづ」とは:小さいものが集まる、「さい(さヰ)」とは:真藍(さあい)~藍色の花。つまり、藍色の小さい花が集まっている様子を「あづさい(あづさヰ)」、そして、「あじさい」と呼ぶようになったという。
 では、漢字の紫陽花の由来であるが、中国唐の時代の詩人「白楽天」が、友人に花の名前を聞かれた際に、陽光に映える紫色の花なので、「紫陽花」とでもしておこうという詩を残した。その詩を読んだ平安時代の歌人「源 順(みなもとの したごう)」が、日本に自生するガクアジサイと同じ花と思い込んだ事により、そのまま、紫陽花と書いてアジサイと読むようになったと言われている。ただ、原産地が日本であることから、白楽天が詩に詠んだその花紫陽花は存在せず、別の花だったということも興味深く思えた。
 なお、紫陽花の品種数は50種類以上、園芸品種まで加えると2,000種類以上と言われている。また、紫陽花の別名は、花弁が四片あることから「四片・四葩(ヨヒラ)」、花の色が様々であることから「八仙花(ハッセンカ)」、シーズンを通じて色が変ることから「七変化」、さらには、オタクサ、手毬花、またぶりぐさなど、いくつかの呼び名がある。
 そして、花言葉。否定的な解釈では、「移り気」、「浮気」、「冷酷」、「無情」とあるが、一方で、花が密集して咲く様子から、家族の象徴や友情の証として「一家団欒」、「友情」、「仲良し」、また、花の色別・種類別では、白:「寛容」、「ひたむきな愛」ピンク:「明るく元気な女性」青・紫:「辛抱強い愛情」、「知的」、「神秘」、ガクアジサイ:「謙虚」とあり、私としては後者を推挙したい。
 最後に、なぜ紫陽花の花の色が変るのかについて書き加える。
 解説書によれば、紫陽花の花色は、土の酸度によって決まるということは、意外によく知られていること。先日、孫2人との会話の中で、紫陽花の花がなぜ変るのかということになり、小6・小3の孫が、2人口を揃えて「土の成分で花の色が変るんだよね。学校で習ったよ。」との話しを聞いて、「あっ、知ってるんだ」と嬉しく思ったのも事実。「紫陽花」の花色は、アントシアニン色素が働いて、青やピンク色が発色する。青色は土のアルミニウムが吸収されて、吸収されないとピンク色が発色する。このアルミニウムは、酸性土壌でよく溶け、アルカリ土壌では溶けないといった性質を持つ。だから、土を酸性にすれば青色に、中性から弱アルカリ性の土壌ではピンク色になる。因みに、白色は色素を持たない品種なので、土を選ばないという。面白いですね。
 ところで、今日もまた、雨模様。軒下で愛猫「ミーちゃん」を膝に乗せながら、紫陽花を眺め時を過す。やはり、肌寒い。今まで梅雨の紫陽花を十分に堪能した。1日でも早く梅雨が明け、太陽の眩しい光の中に、キラキラと輝く紫陽花を観賞できることを願い今月の私のひと言とする。
 

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