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町長談話 令和3年8月号

町長談話 

蛭田町長

 

 「新型コロナに克つ道は見えて来た。皆さん活動しよう。正しく恐れつつ。」

 

 国から自治体へのワクチン供給が不足する事態が相次いでいる。
 今や、矢吹町では65才以上の高齢者の2回接種がほぼ完了(7月半ば現在)。医療機関の皆様の更なるご協力(感謝!)もあり、7月後半から8月には概ね従来の2倍以上のスピードで接種が可能となり、既に64才以下の接種対象の方へのワクチン接種券発送等は完了し、範囲も広げて全力で接種を進めています。
 そこに国からの強烈な急ブレーキ。そもそも、このワクチン接種は「接種を急げ!65才以上の高齢者を7月中に接種完了せよ」との国からの強い要請もあり、踏み込んだ接種体制の整備を大車輪で進めたもの。今になってワクチンが無いとは何としたことか。
 ワクチン接種について、医療機関の皆様はじめオール矢吹で準備した望ましいスピード(東京オリ・パラリンピックと変異株、お盆と夏休みの人流による感染拡大リスクに対し、町が対抗できる水準)で進められるか否かは、今後の国によるワクチン供給次第となってきた。報道のとおり、真剣に接種体制強化に取り組んできた全国の自治体は怒り心頭である。
(7月11日の全国知事会オンライン会議にて国への緊急提言をまとめている。内容は新聞等参照)

 さて、本題。先日私はテレビで修学旅行がコロナ禍で中止になった学校の母娘の反応に考えさせられた。

 母:「娘は運動を続けて頑張っているが、去年から大会は中止続きで、努力の成果を発揮する場が無く可哀想。今度は修学旅行の中止。今しか出来ないことが次々に中止されるのが悲しい。」

 中学生の娘:「感染悪化してるから、仕方無い。先生方が謝る必要はない。(大人が気を遣われている!)」

 小・中・高校の各種行事、スポーツ大会等が昨年から次々と中止・規模縮小となってきた。生徒達にとって、一生の中で今だけの貴重な経験や、日々の努力の集大成の舞台をコロナ禍に奪われている(一方、東京オリ・パラリンピックは何が何でもやる!)。それでも不平も言わずに耐えている。子供達に舞台を提供できない大人の側として、私は大変申し訳なく思う。
 2年連続して行事や大会・総会等を中止するのは、主催者側にとって目先は安全策だが、長い目で見ると、肝心の学校、社会の組織や行事(歴史的な行事は高齢化で、伝承困難が加速)自体の大切な要素の存続・承継を危うくしかねないと懸念する。大きな石は転がっている間は少しの力で動かせるが、一度止ると再度始動させるには大変な力を必要とし、困難な問題が頻発しがちだ。
 去年は、新型コロナの正体と対応法が不明だったため、諸行事の中止もやむ無しだった。今年はそれが相当見えており、私は極力工夫(規模縮小含む)して行事、大会等の開催に向けて努力してほしいと町の職員はじめ関係者に機会あるごとに伝えている。コロナ禍の人間と社会にもたらす最大の副作用はこの「社会活動の停滞」と「人間の絆の劣化」ではないか。恐れすぎて我を忘れ、人間が人間たるべき基本的なものを失ってはいけない。新型コロナを最大の脅威たらしめるのは、人間の抑制困難な「恐れ」と、将来への道を指し示す指導者の不在による「社会の劣化と自滅への迷走」と思えます。
 新型コロナ感染を0に抑えても、町の行事も祭りもスポーツetcも中止し、地域・経済・文化活動の灯が消えたら…お年寄りも若者も引きこもって元気を無くし、町の活力や賑わいを喪失したら、新型コロナとの戦いは私達の負けだと思う。
 正しく恐れよう。この1年半の経験でコロナとの戦い方は相当わかっている。新しい変異株(特にデルタ株)の感染力は脅威だが、対処する基本は変わらない。また加速して接種を進めているワクチンは変わらず極めて有効であり、感染予防の効果は一定確保され、何より重症化リスクに対し大いに有効なのは大学の研究やワクチン先行国等で実証されている。打ち克つ(or上手く付き合う)道は相当見えて来ている。


 皆さん、東京オリ・パラリンピックと変異株、国からのワクチン供給遅れの影響は懸念されますが、打ち克つ道を見誤らずに、気をつけて(正しく恐れて)歩みを前に進めましょう。

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