平成25年4月

大震災から2年が経った~「心あたたまるいい話」

 今年の冬は例年になく強い寒気が南下し寒かった。ここ何日かは強い風と共に春がこの地を訪れたようだ。ようやく長い冬を脱し、今年も春が来る。

 3月と言えば卒業式。そして今、3月議会の最中だ。

 卒業式、議会となれば、忘れたくても忘れることのない東日本大震災。否応なしに当時の事が私の頭の中を駆け巡る。あの震災から2年目の3.11を町議会4日目に迎えた。多くの御霊に対し、心から哀悼の意を込め黙祷を捧げ、また、未だ避難生活に苦しむ人々に対し、一日も早く当り前の暮らしに戻れることを願い、頭を垂れた。この2年という月日は、未曾有の震災からの復旧と、放射能との闘いに、私は私なりに、町職員も、行政区を中心として各団体も、そして町民も、互いに“絆”を感じながら明け暮れた2年間でもあった。課題も残った。“復旧・復興”を合言葉に掲げ、新生やぶき町づくりの為に、多くの町民の声を吸い上げる為に、様々な機会を設けた。

 2月26日から3月1日にかけ、まず、「まちづくり懇談会」を町内4地区で実施した。また、2月24日から開催されている、4地区の「行政区総会」にも出席した。(今後、残り2地区にも出席予定だ。)会合では、5つの最重点課題を掲げた“復興計画”の進捗状況と平成25年度の復興計画に追加する7つの事業を、そして、平成24年度中に完全復旧を明言しながら、その約束を実現できなかったことをお詫びした上で、上・下水道、道路等の今後の事業の進め方を説明させて頂いた。

 想定を超える被害に、一定の理解を示しては頂いたものの、被災に苦しむ真実の声は、私の心に大きく響いた。ままならぬ復旧と、いつ消えるのか見通せない放射能への不安。さらに、子どもの遊び場、水の確保など数多くの意見・提案が出された。このように多くの町民の声を聞かせて頂いた。しかし、まだまだ声を発していない多くの町民がいることも事実だ。あらためて、不安を抱える町民に寄り添い、復旧・復興を目に見える形で“待ったなし”の心意気で取り組む決意を述べさせて頂いた。

 この誌面で私が多くを語るよりも、今まさに町が復興に取り組むべく『道』を説く「心あたたまるいい話(PHP:平成25年4月号)」を紹介する。松下幸之助氏が昭和49年3月に同誌に寄稿した「国難のこのときに」と題した文章だ。

 「今日の日本はかつてないほどの困難な時期にある。(中略)そういう破壊と混乱のなかにあっても国家・国民として立つ道はただ一つ、復興・再生という大きな目標のもとに、みんなが心を一つにして、多少のことは我慢しつつ、協力していったのである。(中略)国家・国民として、今一番大事なことは何か、そして、日本という国をどういう方向にもってゆくべきかという目標を明確にしなければならないこと。国民もまた、いたずらに不信感をもって他を批判したり、単に政治を責め、社会の現状をなげくのではなく、お互いの共同生活の益に結びつくものであれば、多少は自分の不利益になったり、自らの努力が求められるものであっても、積極的にこれに応じていく姿勢をもたねばならない。(中略)したがって、今は困難というべき非常時のなかにあっても、結局これは、日本の発展に結びつく一つの転機である。きびしい情勢のなかにおかれて人間は目覚めるものだから、そういう意味からも、これは日本を立て直す千載一遇の好機である。そう考えてお互い勇往邁進していかねばならない。自他ともの公益のために正しいと思うことは、毅然として実行していくことが大事。この際は、自己の利益よりも公益をまず優先させる。その公益によって自らも安定発展してゆくのだということを考える。私心を去って自他ともの共同生活全体の益をはかってゆく心、そこから必ず日本と日本国民の発展の道がひらけていくと私は今確信している。」今から約40年前。永続的な経済発展を信じて疑わない時期に、突如として石油危機に直面した際に寄稿された文章だが、今私達に重くのしかかっている東日本大震災を予見したかのような内容に心底驚く。

 まさしく「心あたたまるいい話」である。震災から2年が経った。3年目を迎えるに当り、偉大な先人の言葉を噛みしめつつ、復興のスピードを、もっと、もっと加速させることを心に誓い、今月のひと言とする。

矢吹町長 野崎 吉郎

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