平成25年7月

「6月の雨」

6月にしては、今朝の風は涼やかで肌に心地良い。

 例年であれば、うっとうしい雨が続く梅雨の季節。雨が続くと、梅雨の谷間の晴れた日が妙に嬉しかったりする季節でもある。そんな今の時期は、何よりも水が陽光にきらめき、木々の緑も雨をたっぷり吸って濃さを増してきて、みずみずしく生い繁り、満々の水を湛えた川の流れは早く、池の水かさも増す。正に6月は水が主役の季節。そんな6月を思いながら辞典を調べた。皆さんもご存知の通り、日本では旧暦6月を「水無月(みなづき)」と呼び、現在では新暦6月の別な呼び方として用いられている。何の疑いもなく、そう私も認識してはいたが、しかし、よくよく考えてみるとチョット変だなと最近思った。

 梅雨といえば雨。水のイメージが強い6月を何故「水無月」と呼ぶのかと不思議に思えたからだ。でも、辞典の解説を読んですぐに納得。「水無月」の「無」は「なし」ではなく「の」と昔の人は読ませ、また、6月の別の呼び方に「水月」と呼ばせる同意語があることが分かったからだ。成る程と一人頷く。そんなことも分からず恥ずかしい限りだ。何故そんなことを考えたかといえば、今年の6月の天気が例年と様相が違っているからである。

 ペンを走らせている今、6月も未だ半ばを過ぎたばかりだが、連日、全国各地で30度を優に越える日が続いている。関東地方や西日本ならまだしも、東北・北海道地方の北日本でも、例年になく気温が高い。一昨日のTV報道によれば、大阪では37.9度と、6月の観測記録を塗り替えたという。この猛暑とも言える暑さは、雨が降らず、地面の渇きすぎが原因とのことだが、関東地方は5月末に梅雨入りしたが、まとまった雨が降らず、当地方では、未だ梅雨入りの報道はない。少雨の影響は田植えの遅れに始まり、ここに来て、水がめである羽鳥ダムにも出始めた。2600万tの貯水量を誇るダムの水が、現在、満水時の40%を切りそうなのだ。毎日30万tと、矢吹ヶ原台地の水田を潤しているダムの水が、今のまま少雨が続くと7月中旬までに渇れるといった危機に瀕しているのである。

 緊急対策として、決断をさせて頂いた。6月20日から、毎日ではなく、一日置きの「隔日かんがい」を7月末日まで措置せざるを得なくなったのである。こうした事態に遭い、つくづく考えさせられるのは、うっとうしい梅雨どきの雨も、また欠くべからずものと改めて思い知らされる。この後、雨が適度に降ってくれることを祈るばかりである。

 「五風十雨」の言葉をまた思い出す。この6月が、平らかで何事もなく過ごせる季節であることを願い、今月のひと言とする。

矢吹町長 野崎 吉郎

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