平成25年9月

「人は何のために生きるのか2」

先月に引き続き、稲盛和夫氏講演会の講話について書いてみる。今月は「陰騭録」の氏の話しから書き進めていきたい。

この本は、今から約400年前、日本では豊臣秀吉や徳川家康の時代に「遠了凡」によって書かれたものである。「遠了凡」がまだ「学海」と呼ばれていた幼い頃、不思議な白髪の老人が学海少年の家を訪ね、少年の将来について予言する。その後、予言は悉くあたり、そして予言通りの人生を歩むことになった。科挙の試験に合格し、若くして地方の長官になった学海は、以前から教えを請い願っていた雲谷禅師を訪ねる。禅師にこれまでの人生を話す学海。学海のこれまでの生き方、考え方を静かに聞いていた禅師でしたが、俄かに厳しい顔になり、学海を「大バカ者」と激しく叱ったのであった。禅師曰く、「若くして素晴らしく聡明で、悟りをひらいた賢人かと思ったが、あなたは何と大バカ者だったのか」「確かにその老人が言った通り、我々にはそれぞれの運命が備わっています。しかし、その運命のままに生きるバカがいますか。運命は変えられるのです。」と。つまり、人は自らの力で立命できる、運命を切り開くことが出来ると語った。

その後、禅師の教えに従い、徳をさらに磨き、善事を重ねたところ、「子は恵まれないと言われたが、お前が生れ、そして53歳で天寿をまっとうすると言われた私が、70歳を過ぎた今もこうして生きている。」と遠了凡は、一子「天啓」に自分の人生を語り聞かせたのであった。以上が、この本の概要であるが、このように、人生を導く素晴らしい本に出会った氏でさえも、仲々この本の教えを心の底から信ずることが出来なかったとも述懐している。というのも、

「因果の法則が信じられない理由~結果がすぐに人生にあらわれない」善いことを思い、また善いことを行っても、すぐに人生によい結果が生まれてくる訳ではなく、1ヶ月後なのか、はたまた1~2年後になるのか、結果が出てくるまで時間的な「ズレ」があり、そのために、多くの人たちが、因果の法則を信じることが出来ないだろうと話している。

さらに、次の話しも興味深い。強く私の心を引き付けた。

「宇宙には森羅万象を生成発展させていこうとする『意志』がある」話しは137億年前、地球誕生から始まった。ごく小さなひと握りの素粒子から生物が誕生するまでの話しを通して、「この宇宙には、有機物・無機物、すべてのものを慈しみ、育て、よい方向へ、よい方向へ進めていくような気が流れている。」また、「宇宙には、すべてのものを愛し慈しむ「愛」が充満している。」と。氏は宇宙に思いを馳せながら、その宇宙にさえも因果の法則が厳然として存在し、それに従って生きてきたとも話す。

「因果の法則に従うことで好転した私の人生」氏はこれまで、数多くの災難や幸運を経験したことをこう話す。言うなれば、あるときは災難であったり、あるときは幸運だったりするが、いずれも「試練」のひとつなのだと。幸運に出あおうとも、どんな試練であろうとも、それを「ありがとうございます」の感謝の心で受け取ろうとしてきたと言う。ともすれば私たちは、災難に遭えば「なぜ、私だけがこんな目に遭うのか」と思ってしまい、世間を恨んだり、人を妬んだり、挙句の果てには嘆き悲しみ、自分自身を腐らせてしまうことさえある。そして、愚痴をこぼしながら、ますます暗い人生を辿ってしまうというのが普通の姿。しかし、氏は「私は決してそういうふうにはならないようにしよう。どんな災難に遭おうとも、それは試練として神が私に与えてくれたものだと受け止めて、前向きに、ひたすらに明るく努力し続けていく、そんな生き方をしていこう。」と話す。

 そして終りに、

「人生の目的は魂を磨くこと~生まれてきたときよりも少しでも美しいものにする」氏は80年に亘る幾多の経験に基づき静かに話した。「人間は本来、真・善・美を求めると言います。「真」は正しいことであり、「善」とは善きことであり、「美」とは美しいもの。人間という存在自体が、真・善・美という言葉で表現できる美しい魂そのものだと言えるかもしれません。」と。

「魂は輪廻転生していく。そして、その魂を磨いていく。」

「死にゆくとき、生まれたときより少しでも美しい魂とやさしい思いやりに満ちた心を持った魂に変わっていなければ、この現世に生きた価値はない。つまり、人生とは魂を磨き、心を磨く道場ではないのでしょうか。」と結ぶ。

先月号では、氏を「聖者」のようだと書かせて頂いたが、今こうして氏の講演会の話しを紹介しながら書き終え考えることは、稲盛氏は「神様」ではと表現を変えさせて頂きたい心境にあります。私の手元には「盛和塾」で用意された「人は何のために生きるのか」の講話録があります。先月、今月号の中で、講話全てを紹介することができませんでしたが、久々に本当に「いい話」を聴講することができ、幸せな気分で一杯です。読みたい方は是非連絡下さい。

さて、今暑い日が続いております。お体をご自愛下さるようお願いし、今月のひと言といたします。

矢吹町長 野崎 吉郎

問い合わせ先

このページに関するお問い合わせは企画総務課です。

役場2階 〒969-0296 福島県西白河郡矢吹町一本木101

電話番号:0248-42-2111 ファックス番号:0248-42-2587

メールでのお問い合わせはこちら

アンケート

矢吹町ホームページをより良いサイトにするために、皆さまのご意見・ご感想をお聞かせください。
なお、この欄からのご意見・ご感想には返信できませんのでご了承ください。

Q.このページはお役に立ちましたか?
広告掲載について 閉じる
スマートフォン用ページで見る