平成19年10月

「矢吹しぐさ」

「三つ心、六つ躾(しつけ)、九つ言葉、十二文、十五理(ことわり)」。皆さんは「江戸しぐさ」という本をご覧になったことはありますか。江戸時代の商家が長い年月をかけて、人が生まれ育つためにはと、上記のように子どもの養育法を生み出しました。この養育法は、子どもが大人になるために必要な知識や行動を頭で理解させるのではなく、大人の日頃の言動をまねて、見る・聞く・話す態度を身に付けたと書いてあります。

商家の親は子どもが健康に育つことを願いながら、三歳になるまで“こころ”の糸をしっかりと張りめぐらせることに心血を注ぎました。六歳の頃になると、良いことか悪いことか、わけ知りになる年頃です。六歳までに躾糸をきちんと折り目正しくしつけておかねば、後々が繰り返し鍛育したといいます。九歳までには「おはようございます」「こんにちは」などのあいさつは当然のこと、「お寒くなりました」「今日はお天気が良いですね」といった共感する大人のお世辞も言えるようにしたといいます。十二歳になると、注文書、さらには苦情処理などの報告書なども書き、親に何事かあってもすぐにあとを継げるよう念入りにわが子を育てたとあります。当時の子育ての最終段階が十五歳。この歳になった子どもは、自然の原理、世の中の流れが実感として理解できるようになっていなければならないとされました。

大人の立居振舞を観て育つわけですから、当然大人は子どもの模範でなければならず、誰もが江戸しぐさを身に付けていたといいます。江戸しぐさの「しぐさ」は「思草」と書き、「思」は思案・思慮・思想の意であり、「草」は行為・行動・実行の「行い」を意味し、その人の“こころ”がそのまま形となって表に出るものです。

こう書くと、「こんなに進んだ世の中にあって、今さら江戸しぐさでもあるまい。」と思われる方がいるかもしれませんが、世の中が変わっても、人の“こころ”のぬくもり、ありさまは変わるものではなく、このような世の中だからこそ、ますます必要ではと読後に感じました。

「江戸しぐさ」が教えてくれることは、子どももそうですが、我々大人が身に付けなければならない大切な心得であり、今はあなたの心の中で眠ったままになっているかもしれませんが、是非に気づいてほしいものです。常に相手を考え尊重する心。互いに思いやり、助け合う心。それら“こころ”を育て、いがみ合うのではなく融合する“こころ”を持ち合う。この江戸しぐさは、江戸に花開いた古き良き日本固有の伝統的な「行い」です。私はこれらのしぐさを「矢吹しぐさ」として、我が町「やぶき」に根付かせたいと考えております。

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