平成24年4月

「おかげさまで」

いつ頃からだろうか。最近耳にすることが少なくなった言葉に、「おかげさまで」という言葉がある。私の両親の世代では、ごくゝ当り前に、日常会話の中で使われていた言葉でもある。

お陰様で元気になったぞい。

お陰様で息子が高校合格すっことができたぞい。

お陰様で大学卒業できました。

例をあげたらキリがないが、そんなに遠くない昔の時代を生きていた人達は、常に“感謝”を表す、しかも謙虚な気持ちの中で、何事にも感謝する気持ちを表す言葉として使われていた。

私の机の脇の壁に「おかげさまで」というタイトルの文章が書かれた紙が貼ってある。書かれていることの一つゝを日常生活で自分の戒めとして貼ってあるものだが、いい機会なので、この紙面を借りて紹介してみる。

 

夏が来ると冬がいいという冬になると夏がいいという

ふとるとやせたいというやせるとふとりたいという

自分に都合のいい人は善い人だとほめ

自分に都合が悪くなると悪い人だと貶(けな)す

借りた傘も雨があがれば邪魔になる

金を持てば古びた女房が邪魔になる

世帯を持てば親さえも邪魔になる

衣食住は昔に比べりゃ天国だが

上を見て不平不満に明け暮れ

隣りを見て愚痴ばかり

どうして自分を見つめないのか静かに考えてみるがよい

いったい自分とは何なのか親のおかげ、先生のおかげ、

世間さまのおかげのかたまりが自分ではないのか

つまらぬ自我妄執(じがもうしゅう)を捨てて得手勝手を慎んだら

世の中はきっと明るくなるだろう

おれが、おれがを捨てて

おかげさまで、おかげさまでと暮らしたい

作者不詳

 

どうでしたか。中々味わい深いものがあると思いませんか。

因みに、「おかげさま」の意味、語源を調べてみた。「おかげさまとは、感謝を表す言葉、挨拶の言葉として用い、他人から受ける利益や恩恵を意味する「お陰」に「様」をつけて丁寧にした言葉。古くは、「陰」は神仏などの偉大なものの陰で、その庇護(ひご)を受ける意味として使われている。」とある。謙虚さのなかにも感謝の気持ちを表す言葉、日本人の美しい心を表すこの言葉を、私たちは忘れてはならないし、これからも使い続けたい。

東日本大震災で多くの被害を受けた矢吹町。

皆さんもご承知のように、矢吹町は多くの方々から支援を頂きました。今、この言葉を借りて感謝の気持ちを表すならば、次のように書きたい。

「皆さんの支援によって“おかげさまで”矢吹町は、こんなに素敵で明るく笑顔溢れる町になりました。本当にありがとうございました。」

こう言える日が一日でも早く訪れることを願って、今月のひと言といたします。

矢吹町長 野崎 吉郎

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