平成27年6月

「挨拶は一挨一拶」

「おはようございます!」

「おはよう!」、「おはようございます…」

「無言」、「無視」。

毎年、年2回、矢吹駅乗降口で駅利用者を対象にした、早朝の街頭啓発活動に参加する機会がある。5月1日には、「憲法週間」にあわせて、人権擁護委員の皆様と共に会の存在意義と日頃の活動内容を周知して頂く為に、また、7月には、保護司の皆様と共に同様の主旨で活動に参加している。

冒頭に記した朝の挨拶「おはよう」の会話は、今回活動した際の挨拶の様子を、私なりに表現させて頂いたものである。朝早く、忙しげに通学・通勤される学生、会社員などの反応は前記の通り様々。元気よく、大きな声で、しかも笑顔を添えて挨拶する人。聞き取れない位に小さな声で挨拶する人。でも、挨拶してくれる人は多くなく、声を掛けても無言のまま、なかには顔を合わせずに無視して通り過ぎていく人もいる。そうした人は、大概、耳にはイヤホンを、手にはスマホを持っているなど、そんな人がここ4~5年の間にヤケに目に付くようになったし、同時に挨拶を交わす人が少なくなったようにも感じている。

“きちんと挨拶してくれたらいいのになあ…”と、心でつぶやきながら、決められた時間を過ごす。

その後、役場へ移動し、庁舎内に足を運ぶ。まずは、警備員さんに「おはようございます」と大きな声で挨拶。「おはようございます」と、いつもの返事。いつもながら気持ちがいい。2階へ歩を進める。階段を昇り終えて左折すると、2階の執務フロアが全貌できる。今日はいつもより遅れての出勤だけに、殆どの職員が出勤している。真ん中の通路を歩きながら、左右にいる職員に「おはよう」と声を掛ける。「おはようございます」と返事をしてくれる職員が大半だが、気付かずに返事をしない職員も見て取れる。返事がないと肩透かしを食ったような気分がして、少しガッカリする。他の事に気を取られているので止むを得ないなと思いながら、もう一度気を取り直して歩を進め、再度腹に力を込め、出来る限りの笑顔を作って大きな声で「おはよう」と声を出す。今度は「おはようございます」の挨拶が返って来た。やはり気持ちがいい。気分を良くして自分の執務室に入る。「今日も頑張るぞ!」と、心の内で叫びながら。

話は変わりますが、挨拶には、時と場所、そして相手により様々な表現があることはご承知の通り。しかし、これら挨拶の意味はと問われて、スラスラと答えられる人は私を含めて数少ないのでは。そんな事を考え、手にした本がある。東洋思想家の境野勝悟(さかいのかつのり)氏は、著書『日本のこころの教育』の中で次のように記している。実に面白いので紹介してみる。

私たちが、友人、知人に出会った時、よく使われていますが、「今日(こんにち)は」「お元気ですか」という表現は、それぞれが独立したやり取りではなく、「今日は、お元気ですか」と続いて使われる挨拶だという。この「今日は」の「今日(こんにち)」という意味は、現在では「昨日(きのう)」「今日(きょう)」という意味での「今日(こんにち)」となっているが、実は、古くは「太陽」の意味であったという。また、「お元気ですか」の元気とは、「元(もと)の気(エネルギー)」という意味で、エネルギーと言えば、太陽の気をさすことになる。つまり、「今日は、元気ですか」とは、私は、あなたは、太陽のエネルギーが原因で生きている体だということをよく知って、「太陽さんと一緒に、明るく生きていますか」という確認の挨拶だったことに由来している。それを受けて、「はい、元気です」と答える。「はい、太陽さんと一緒に元気に生きていますよ」と応答するわけである。

それから、「さよなら、ご機嫌よう」の意味は、「太陽さんと一緒に生活しているならば、ご気分がよろしいでしょう」となる。

この話でも分かるように、私たちが普段何気なく交わしている挨拶には意味があり、太陽の恩恵によって生かされていることに感謝した、私たちのご先祖様の謙虚でおおらかな気持ちが込められていることを改めて知ることが出来たし、忘れないでおきたい。

以前にも書かせて頂いたが、再度書く。挨拶の語源は、仏教語の「一挨一拶(いちあいいちさつ)」。「挨」とは押し開くや、互いに近づくとの意味があり、「拶」とは、せまる、すり寄るとの意味がある。つまり、人と人が出会い、お互いに心を開いて、感謝や思いやりの気持ちを持って、相手にせまっていく、近づいていくことが「挨拶」である。

私たちの生活は、周囲の人々や先人たちの努力など、実に多くの存在によって支えられている。こうしたことを思いながら、今後も、町なかで、職場内で、そして家庭内で「おはよう」「今日は、お元気ですか」「さよなら、ご機嫌よう」「今晩は」「おやすみなさい」と、お会いする人々に声を掛けながら、日々を送らせて頂くことを誓い、今月のひと言とする。

矢吹町長 野崎 吉郎

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