平成27年7月

「日本人の心を思う」

FIFA女子ワールドカップカナダ2015が、今月6日から始まった。連覇を狙う「なでしこジャパン」は9日、スイスと初戦を戦い、1対0で勝利。幸先の良いスタートを切った。TVを見ながら思った。夢よ、もう一度。四年前、日本中を感動の渦に巻き込んだ「世界一」の栄冠を再び掴んでほしいものだと。私はじめ日本人の誰もが願っていることだ。

初戦の試合開始前のセレモニー。日本の国歌「君が代」が流れる。ユニフォームの日の丸に手を当て、誇りに満ちた表情を見せる選手の姿が映し出される。試合が始まり、グランドでは、ブルーのユニフォームの選手達が躍動する。スタンドでは、「日の丸」の小旗が振られ、そして大きな「日の丸」の旗もなびく。「日の丸」を背負い戦う選手の姿に、いつにも増して、私の心は大きく揺さぶられた。というのも、先月号で紹介した、境野勝悟氏の著書「日本人のこころの教育」を読んだ影響が大きい。国歌「君が代」とは、「日の丸」とは、の問いに分かり易く解説しているこの本を読んだ後だっただけに、心に響く感動の波が大きかったのだと、容易に気付いた。

そもそも「日の丸」が、日本の国旗として、いつ、誰によって制定(布告)されたかを知る人は、数少ないのではと思う。私も、実はこの本を読むまでは知らなかった。NHK大河ドラマの「花燃ゆ」が現在放映中。その時代、「国」とは「藩」のこと。その概念を打ち破り、276余の「藩」を一つの国「日本」として位置づけたのが、激動の幕末期だった。

鎖国政策を続ける日本に対し、開国を迫るアメリカやフランス等の列強国。夷狄からの侵略を阻止しようと立ち上がった時期が、「日の丸」=国旗を布告した時期と書かれている。

アメリカのペリー一行が、徳川幕府に対し、強硬に開国を迫り、日本の浦賀沖に姿を見せたのが1853年。この時停泊していたアメリカの、いわゆる「黒船」には、アメリカ合衆国の国旗「星条旗」が、堂々と海風に舞っていた。開国を迫るペリー。来年まで返事を待ってほしいと切望する徳川幕府の重鎮。日本を去るペリーは忠告する。「アメリカの黒船の周囲には、たくさんの小さな日本の船がやってくるが、旗をつけていない。日本には、ナショナル・フラッグ(国旗)というものがないのか。旗をつけていない船は国籍が分からないから、大砲を撃ち込んで沈めてしまってもいいことになっている。来年までには、日本の国旗をつけているように…」と。これを受けて幕府は大慌て。来春までにナショナル・フラッグを決めようと決議したものの、すんなりと「日の丸」に決まった訳ではない。

時の幕府の重鎮、島津藩主島津斉彬の存在は大きかった。城内の座敷から桜島に上がる朝日を見て、「あのさわやかな輝きを出ずる太陽の光を以って、鎖国の夢を覚まさなければならぬ。日本の将来は、古代から日本人がいのちの恩として愛してきたかがやく太陽のようでなければならぬ。」と考え、そして、この太陽のマーク「日の丸」を日本全体の総船印とすることを提案し、決定。時は1854年。その後、国旗として今に至る。

なお、参考までにもう一つの候補が「中黒」。白地の中央に黒の横一文字であったそうで、つくづく「日の丸」で良かったと思うのは、私一人ではないのでは。

次に、もう一つのテーマ、国歌「君が代」であるが、やはり知らないことだらけだ。まず、いつ頃作られたのか。この本を読んで驚いた。今からおよそ800年も前の鎌倉時代というから驚きだ。1228年に書き写された「和漢朗詠集」という歌集に出ているとある。

君が代は 千代に八千代に

さざれ石の いはほとなりて

こけのむすまで

「君が代」の「君」とは、あなたという意味。「代」とは、寿命とか、いのちの意味。

「千代に八千代」とは、いつまでも長く続きますように、「さざれ石の いわおとなりて こけのむすまで」とは、細かい小さな石(さざれ石)が、長い年月の風化によって大きな岩のかたまりになって、その岩にいっぱい苔が生えるようになるまで、いつまでも元気に長生きして下さい…と。

更に驚くことに、実はこの「君が代」のもととなったうたが、905年に作られた「古今和歌集」に載っているというのである。

題しらず 読人しらず

わがきみは 千世にやちよに

さざれいしの いはほとなりて

こけのむすまで

つまり、この歌は題名もなく、作者名もわからないという。面白いのは、この歌が平安時代(800年頃)のある女性が、愛する男性に送った「恋のうた」であるということである。

私たちの国歌「君が代」の原歌(もとうた)が何んと、平安時代の女性の恋のうただったとは。でも、実に素敵なことだと私は思う。更に、驚くことがもう一つ。この歌が作られたのは平安時代。つまり「君が代」は、あの「ギネスブック」に、世界で最も古い国歌であると記録されているということである。

私たちの祖先は、太陽をいのちの原因と考え大事にしてきたことは、すでに前月号にも書いた。

日出ずる国日本。「日の本」つまり、「私たちのいのちは太陽が元である」ということであり、この本は「太陽のように丸く、明るく、豊かに、元気に生きる。これが日本人です。」と解説している。奇しくも、この原稿を推敲している今、「なでしこジャパン」が2戦目も勝った。ユニフォームは、ブルーから太陽のように輝くイエローだ。実に眩しい。

輝く太陽の下、日本人の心を忘れず、今日からの日々を元気良く、明るく過ごすことを誓い、今月のひと言とする。

矢吹町長 野崎 吉郎

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